車の運転が好きです。

　群馬で育った私は、なんの疑問も持たずに車の免許を取った。
　そうするのが当たり前の地域だから。

　その頃はまだ、オートマ限定免許なんて物はなかった。
　免許を取って初めて乗った車もマニュアルだった。

　最初に乗る事になったのは、家にあった古い車だった。
　スバルの、レオーネという車。
　もう１０万キロ以上走っている古い車だったから、当然パワステなんて付いていない。ミラーもフェンダーミラーだし、窓だって手で回して開ける例のヤツだった。
　でもそれでも、とても楽しかった。短大生の頃はこれで学校に通っていた。

　その次に乗る事になったのは、やっぱりスバルの、Ｒｅｘコンビという軽自動車だった。
　これは母の車の間借りだった。これがまた、貨物車な上ボロだった(^^;。９０キロくらい出したら、ハンドルがびりびり来る様な車だった。

　そのウチ母が車を買い替えたので、自動的に私の乗る車も変わった。
　今度の車はスバルのｖｉｖｉｏ。初めて運転する新車にどきどきした。
　意味も無く週末になると榛名山に登ったりした。

　この車は随分長く乗っていた。
　勿論自分の車も欲しかったのだけれど、あんなに洋服買ってたら無理ですな(^^;。

　そのまま結婚して、連れ合いの車が私達の車になった。
　２台も必要なかったし、維持も大変だし、なにより私が乗っていたのは自分の車じゃなかったのだから当然だった。

　その車は黒のシルビアだった。Ｓ１３って型式の、デートカー全盛だった時期にかなり売れて、今でもそれなりに走っている車だ。

　この車も気に入っていた。
　何と言っても、二人が付き合っていたそのほとんどの間、私達の足を務めた車だったから。

　この車は、オートマだった。
　それで改めて、自分がマニュアル車が好きなのだという事に気が付いた。
　マニュアル車と同じ感覚で運転していると、微妙に色んな事が違うのだ。

　半年くらいして、それにもやっと慣れた頃、新しいシルビアが出た。
　それがＳ１５だ。

　早々に展示車を見に行った。
　買うつもりで見に行った訳ではなかったのに、とても気に入ってしまった。

　買うのは結構簡単に決まったのだけれど、しばらくオートマにするかマニュアルにするかの話し合いが続いた。・・・結局は相方が折れてくれて、マニュアルになったのだけれど。

そうして今は、シルビアＳ１５に乗っている。
　群馬から今の場所に越して来て、初めて自分が車の運転が好きなんだという事に気付いた。

　ここでは、自転車があれば事足りる。
　却って車だと不便な事すらある。
　だからこそ、自分が今まで単に必要だったから車を運転していた訳じゃなかったのが判った気がする。

　あんまり乗り回していなくて、ちょっと可哀相なウチのシルビア。
　近くにお山があればなあ、と思う今日この頃なのだった。

1999/07/11